【Jazz Piano】We All Love Burt Bacharach / Massimo Colombo (feat. Peter Erskin and Derek Oles)(2016)

往年のヒットソング、映画音楽をジャズで。

バートバカラックのヒットソングが軽快なジャズアレンジで楽しめる良作

映画音楽の巨匠バート・バカラックの世界

バートバカラックは現代の最もリスペクトされる作曲家のひとりで、様々な映画音楽にも楽曲を提供して来たレジェンドです。名前は知らなくても、聴いた事がある曲も必ずあるはず。そんなバートバカラックのヒットソングを軽快にジャズアレンジしたアルバム『We All Love Burt Bacharach / Massimo Colombo (feat. Peter Erskin & Derek Oles)(2016)』をご紹介します。

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豪華メンバーにより甦るバカラック作品の魅力

曲を聴くだけで、ふと映画のワンシーンが思い浮かぶ。様々なアーティストのカバーソングが思い浮かぶ。そんな名曲揃いのバートバカラックのヒットソングをジャズで楽しめる本作ですが、豪華参加メンバーによる演奏も大変魅力的です。

Massimo Colombo (Piano)

リーダーでイタリア ミラノ在住の実力派ピアニスト マッシモコロンボ。透明感のあるピアノで近年人気を集めているピアニストです。1980年代から活躍し、80作品以上のアルバムに参加し、リーダー作も30作以上リリースしているイタリアンジャズ界の重要人物です。

Peter Erskin (Drums)

ドラムにはウェザーリポートにてジャコパストリアスとリズムセクションを組んだレジェンド、ピーターアースキン。細やかなシンバル表現が魅力で、まるで歌う様なドラミングで演奏を盛り上げてくれます。近年のアースキンの録音は、録音技術の向上に伴って細かいニュアンスが楽しめ、より魅力が深まっているのではないでしょうか。

Derek Oles (Bass)

ベーシストにはデレクオレス。ポーランド生まれの彼は、1987年にロサンゼルスに移住、活動を始めます。1990年代から活躍しているベーシストで、スコットラファロやチャーリーヘイデンが引き合いに出されるプレイには定評があり、ピーターアースキンとは様々な作品で共演しています。

Bob Mintzer (Sax)

サックスにはボブミンツァー。バディリッチ楽団やジャコパストリアスオーケストラのアレンジャーを経て、1980年代より自身のビッグバンドでも活躍、1980年代後半にはジャコパストリアスのツアーにワードオブマウスビッグバンドの主要メンバーとして帯同しています。その他アートブレイキーなどビッグネーム達への楽曲提供も手掛け、コンポーザー、アレンジャーとしても才能に溢れた音楽家です。

Kathleen Grace (Vocal)

キャスリーングレイスはアメリカのシンガーで、ジャズ、ブルース、フォーク、カントリー、ポップスなどのフィールドで幅広く活躍しています。The Montreux Jazz FestivalやThe Kennedy Center for the Arts、the South by Southwest music festival など、多彩な出演歴を持ち、自身のバンド、Dear Lemon Trees やソロでも精力的に活動しています。

Michael Stever (Trumpet)

マイケルスティーバーはアメリカのトランペッターで、アル・ジャロー、デイブ・ブルーベック、ラムジー・ルイス、スティーブ・ミラー、ウォーレン・ヒル、レイ・パーカー・ジュニア、ボビー・コールドウェル、ジェラルド・オルブライト、ボニー・ジェームズ、キャンディ・ダルファー、ブライアン・カルバートソンなどと共演経験を持ち、2005年のCarmine Caruso International Jazz Trumpet Competitionでも2位になった実力派です。本作でもインスト曲でバンドをリードしています。

以上6人の豪華メンバーが、素晴らしい演奏でバカラック作品を聴かせてくれます。

それぞれの思いを委ねられる珠玉の名曲たち。

収録曲のオリジナルリリース

主に1960年代から1970年代の楽曲が多いのですが、どれも聴き馴染みのある曲ばかり。リリース年とオリジナルリリースを振り返ってみましょう。この曲聴いたことあるな、と思われた際は参考にしてみて下さい。みなさん思い入れのある曲がひとつは見つかるのではないでしょうか。

それぞれの思い出に思いを馳せてこの名演に身を委ねてみてはいかがでしょうか。気に入っていただけたら幸いです。

The Look of Love

邦題『恋の面影』

1967年公開『007 カジノロワイヤル』主題歌。1968年アカデミー主題歌賞ノミネート。

I’ll Never Fall in Love Again

邦題『恋よさようなら』

1968年ブロードウェイミュージカル『プロミセス・プロミセス』劇中歌。全米第6位ヒット。

Alfie

1966年公開『Alfie』主題歌。2004年のジュードロウ主演によるリメイクもヒットした映画。1998年に行われたバートバカラックトリビュートライブ『One Amazing Night』にて、最後にバート自身のピアノ弾き語りによってプレイされたテイクも素晴らしい。

Raindrops Keep Falling on My Head

邦題『雨にぬれても』

1969年公開『明日に向かって撃て』挿入歌。

Arthur’s Theme (Best that You Can Do)

邦題『ニューヨーク・シティ・セレナーデ』

1981年公開『ミスター・アーサー』主題歌。アカデミー賞最優秀歌曲賞受賞。

God Give Me Strength

1966年公開『グレイス・オブ・マイ・ハート』主題歌。エルビスコステロとの共作。

Go Ask Shakespeare

この曲は自身のアルバムの為に制作。2003年リリースのクリスボッティのアルバム『A Thousand Kisses Deep』の収録曲、『The Last Three Minutes』のカバー。作詞も手掛けている。

I Say a Little Prayer

この曲は1966年に作曲されたポップソング。

1967年ディオンヌワーウィックのアルバム『ザ ウィンドウズ オブ ザ ワールド』から「あなたに祈りをこめて」の邦題でシングルカット。全米4位、R&Bシングル・チャート8位のヒットとなった。

アレサフランクリンの1968年のアルバム『アレサ・ナウ』でのカバーは「小さな願い」としてシングルカット。アメリカのBillboard Hot 100で10位、R&Bシングル・チャート3位のヒットを記録。全英シングルチャート4位。

(They Long To Be) Close To You

1963年作曲。リチャードチェンバレンやディオンヌワーウィック、ダスティ・スプリングフィールドにカバーされ、1970年カーペンターズのアルバム『遙かなる影』に収録され大ヒット。Billboard Hot 100、Billboard Easy Listening 第1位。全英チャート第6位。

This Guy’s in Love With You

邦題『ディスガイ』

1968年ハープアルバート録音。Billboard Hot 100、Billboard Easy Listening 第1位。

What the World Needs Now is Love

邦題『世界は愛を求めている』

1965年ジャッキーデシャノンの録音。Billboard Hot 100 7位。

Walk on By

1964年ディオンヌワーウィックの代表曲。Billboard Hot 100 6位、Billboard Adult Contempotary 7位。

A House is not a Home

1964年、同名映画の主題歌でディオンヌワーウィック録音。その他1981年のルーサーヴァンドロスのカバーは彼の代表曲になっている。

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