ジャガー、ジャズマスターの弦落ちを解消する方法

オルタナティブロックのアイコン、ジャガー&ジャズマスターを思い切りかき鳴らすために

構造上のウィークポイントをカバーする

Fender が誇るオルタナティブロックアイコン、ジャガー&ジャズマスター。1958年にジャズマスターが、1962年なジャガーがFender最上位機種としてリリースされました。

発売当時はベンチャーズなどのサーフロックで使われましたが、90年代に入り盛り上がったオルタナティブロック/グランジムーブメントのアーティストに使用されたことで、エッジィなサウンドと革新的なシェイプで一世を風靡し、今日でもオルタナティブロックのアーティストにとってのパートナーとなっています。

発売当時は現在より太めのゲージを張る設計だった様で、弦のボールエンドからブリッジサドルへの角度が非常に浅く、レギュラーライトゲージを張ってもブリッジサドルから弦が落ちてしまうトラブルに多く見舞われます。

簡単な対策としては太めの弦を張る、が考えられますが、プレイスタイルに大きな制約が出てしまいます。

そのため、今日では無加工で装着出来るものも含めて、たくさんのオプションパーツが販売されています。そこで今回は両機の宿命である『弦落ち』の解決に用いられる定番モディファイをご紹介します。

Buzz Stop Tension Bar

元々装着されているトレモロユニット部固定ネジを利用して、弦を一度下に押さえ込むことで、ブリッジサドルにかかるテンションを上げて弦落ちを防ぎます。実際かなり弦落ちを押さえ込むことが可能で、ほぼノーストレスで思い切りかき鳴らす事ができます。

サウンドの変化としては、ブリッジサドルに荷重が増えるため若干タイトなサウンドになり、コントロールしやすくなる印象です。

Fenderよりリリースされている日本のアーティスト、LUNA SEA のギタリスト、INORAN モデルのジャズマスターには、出荷時よりこれが装着されています。百戦錬磨のアリーナクラスプレイヤーらしい、実用的なアプローチですね。

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ムスタング用ブリッジに交換する

お手軽な方法としてはムスタングのブリッジに交換することも良く行われます。ムスタングのブリッジサドルは弦を落とし込む溝が一本深めに入っているので、それを利用するモディファイです。ジャガー、ジャズマスターのブリッジ部はボディのヘコミに脚がはまっているだけなので、簡単に換装出来ます。

しかしながらムスタングのブリッジサドルの溝でも若干不十分な様で、激しくアタックしたり、スラップの様なプレイでは簡単に弦落ちしてしまいますので、あくまでそういうプレイが前提の方は避けたいところです。

チューンオーマチックブリッジに換装する

これは大掛かりなモディファイになるのですが、レスポールなどに使われているチューンオーマチックブリッジに載せ換える方法も良く取られます。しかしながらボディ部に加工が必要なため、リペアショップでの施工が必要になります。

チューンオーマチックブリッジのサドルはヤスリで溝切りをして使用するので、確実な弦落ち対策のひとつとして選ばれます。ブリッジ自体が変わるので、サウンド面でもかなりタイトなサウンドになり、狙ったサウンドになれば、前向きなモディファイになるでしょう。

ブリッジサドルの溝が通常のものより摩擦がかかるので、アーミングのスムーズさは無くなってしまいます。アーミングはしない、もっとサウンドをガツッとしたい、というプレイヤー向けのモディファイです。

シンクロナイズドトレモロ搭載のジャズマスターも

Fender社としても弦落ちという問題は認識しており、サウンドを大きく変えることなくより使いやすいジャズマスターを販売しています。

こちらのモデルはシンクロナイズドトレモロを搭載し、弦落ちの弱点を見事に解消しています。

いかがでしたでしょうか。ジャガー、ジャズマスターは弦落ちという弱点があったとしてもプレイヤーの心を捉えて話さない圧倒的なサウンドや魅力を備えたギターですよね。

欠点があったとしても、補ってあまりあるサウンドと魅力に溢れたこの両機と共に、みなさんのギターライフがより良いものになれば幸いです。

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Fender Jazzmaster
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