ギターのネック調整とコンディション診断を完全攻略する

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本当は『たったそれだけ?』の作業で終わるギターのネック調整

いつも弾きやすいコンディションでプレイするために

『最近弾きにくくなったな…』『音詰まりするポジションがある…』など、感じる事はありませんか?

こういったギターのコンディションの変化の原因はネックコンディションの変化。ネックの『反り』が原因であることが多く、ギターの品質の優劣に関わらず必ず起こります。

楽器店やリペアショップへ持ち込んでの調整依頼をするにもリペア代金納期の問題、ギターを持って行く時間が取れないなど、様々なハードルがあり面倒になりがちです。

所要時間は数分!セルフで出来るデイリーメンテナンス

ギターのネックのトラスロッド調整は、きちんと仕組みさえ理解していれば、ほんの数分で終わる作業になりますので、セルフで診断と調整が出来れば、いつでも快適にギターがプレイ出来ます。

良くないコンディションで放置し続けると、木材がそのコンディションで癖付いてしまい、大幅なリペアが必要になったり、最悪の場合は修正不可能になってしまいます。

いつも弾きやすい良好なコンディションを維持することは、愛器を末長く愛用するためでもありますが、何よりギター上達への大切な要素のひとつでもあります。

そこで今回は、トラスロッドの仕組みとネックコンディションの把握の仕方、トラスロッドでのネック調整の仕方をご案内します。

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トラスロッドの仕様を前もって確認しましょう

トラスロッドには、順反り(弦に引っ張れる方向への反り)のみ矯正出来るシングルアクション逆反り(弦が引っ張る方向とは逆方向の反り)も矯正出来るダブルアクションが存在します。

あなたの愛器はどちらのトラスロッドなのか、メーカーサイトなどで確認してみましょう。

弦の張力に対抗するためのトラスロッド

木材だけでは弦の張力に耐えられない

ギターのネック材は細く加工された木材です。エレキギターでも数十キロの荷重を常にネックにかけており、木材だけでは荷重に耐えることが出来ません。そのため、補強材として金属製の棒(ロッド)が入れられる様になりました。

ただ、単純に補強するだけでは木材自体の気温や湿度による変化に対応出来ないため、矯正力が調整可能なトラスロッドが作られました。

締め込むためのナット部分を確認

ネック内部に、少し湾曲した金属製の棒の両端を固定した形で組み込み(トラス構造)、それを片側からナットなどでネジで締め込み、弦の張力とは逆方向にネックを引っ張ることが出来るようになっています。

Gibson系はヘッド側のトラスロッドカバーの中に、

Fender系のヴィンテージスタイルであればネックエンドに締め込める様にナットがついています。

あなたの愛器のナット部分はどこにあるか、確認してみましょう。

木材自体のコンディションを確認する

製造された時はネックは基本的にストレート

製造工程ではネックは基本的にストレートな状態で切り出されますが、出荷や保管環境の変化、木材自体のクセなど様々な要因で少しずつ曲がって来ます。

弦を完全に緩めた状態で、トラスロッドを緩め切ることで木材自体の現在のコンディションを把握することが出来ます。

あまりトラスロッドを動かしたくない場合や、チューニングしている状態で明らかに反っている場合などは、チューニングしてある状態の見極めから始めてしまって構いませんが、現状を把握したい場合は、木材自体のコンディションから見ていきます。

手応えがなくなったら、そこがニュートラルな状態

トラスロッドを反時計回りに回し緩めていくと、そのうち完全に手応えがなくなります。その状態がトラスロッドがネックに全く干渉していないニュートラルな状態で、木材自体のコンディションです。

ダブルアクションの場合は、反時計回りに緩め切ると、今度は順反り方向に矯正し始めますので注意して下さい。

このニュートラルな状態でネックがストレートであれば、非常に良いコンディションです。反りがみられる場合は、弦の張力への対応に加えて、木材の反りの矯正もトラスロッドの仕事になります。

ネックコンディションの見極め方

ネック調整の1番のハードル。ちょっと視点を変えると見えてくる

ネックコンディションの見極め方が分からない、というのがセルフでのネック調整のハードルを上げている要因のひとつでしょう。リペアショップなどでは、ストレートエッジと呼ばれる直線に加工した金属製のゲージを使い測定しますが、自己診断ではそこまで神経質にストレートを測る必要はないと思います。

人間の目は見るポイントが遠くなればなるほど、錯覚しやすいので、ヘッド側から見ていきます。

ネックの両端、6弦側と1弦側の指板のエッジラインなど、直線で加工されているであろう場所に注目してみると、比較的正確に把握しやすいと思います。

両端の曲がり方が同じくらいなら、通常の反り、違う場合は『ねじれ』というコンディションになります。ねじれが起きていても、チューニングをした状態でおおむねストレートであれば神経質になる必要はありません。

更に精度を上げるための注意点

この時ギターの自重がネックにかからない様に、立てて見るか、ボディをしっかり支えて見るようにしましょう。加えて、フレットエッジ で見ていくと、若干のエッジ浮きやエッジ処理のバラつきなどで正確に目測出来ませんので注意が必要です。

こうしてネックのコンディションを大まかに確認したら、トラスロッドを時計回りに締めてネックをストレートにしましょう。

締めなくてもストレートな場合は、少しトルクを感じ始めるところまで締めておきましょう。

トラスロッドはネックがストレートになると硬くなる

弦が張られていない状態ではストレートでも、チューニングをしてネックに荷重をかけると必ずネックは曲がって来ます。Gibson系のものはチューニングした状態でもトラスロッド調整が出来ますので、少しずつ締めてはチューニングを確認してストレートにしていきます。

トラスロッドを締めていくと、グッとトラスロッドのトルクが硬くなる瞬間がありますが、その付近がストレートになるポイントである事が多いです。構造上も、ネックがストレートな状態になるとトラスロッドのたわみが少なくなり、回りにくくなる傾向にありますので、その手応えを頼りに調整していくわけです。

目視でストレートに出来たら、更に細かくチェックしていきます。

弦を用いた簡易的なストレート計測

チューニングした状態で1フレットと最終フレットを押さえ、中心部分の9フレット辺りのフレットと弦の隙間を見てみます。

チューニングされた弦はストレートに非常に近い状態ですので、両端を押弦することでストレートエッジの代わりにして診断するわけです。

アコースティックギターの中には、最終フレット付近がサウンドホールに向かって少し低くなっているものもあります。そういった機種の場合は、落ち込みが始まる手前のフレットと1フレットの間で計測しましょう。

厚めの紙が隙間に入るくらいが適正

少し厚めの紙が入るくらいの隙間があれば適正なコンディション。目視でわずかに視認出来るくらいの隙間になります。

これを全ての弦で行うと正確にコンディションが把握出来ます。隙間が広いようだとまだ順反り、隙間が全くないと逆反りですのでトラスロッドを少し緩めましょう。

Fender系のヴィンテージスタイルのものはネックを外さなければならないため、ある程度見越して締め込んでおくのですが、少し経験が必要かもしれません。

チューニングした状態のコンディションから推測し、トラスロッドを締め込む際のネジのトルク感を感じながら調整します。

最初は一回で決まらないと思いますが、何度かトライするうちに感覚が身につきますので、頑張ってみてください。

トラスロッド調整時の注意点

力任せは取り返しのつかないことに

目視の段階で一見して分かるような反りや、著しく弦高が高いような場合は、無理をしてトラスロッドを締めないようにしましょう。ナットと反対側の端は固定具に溶接してある事が多いのですが、その溶接部分が割れてしまったり、トラスロッド自体が折れてしまう可能性があります。

トラスロッドを新しく仕込むには指板を剥がすなど大幅な加工が必要となり、元どおりの状態には戻せません。

トラスロッドが固くて回らない場合は、リペアショップへ持ち込みましょう。

ネジ類は『逆ねじ』を行ってから締める

Gibson系のトラスロッドカバーや、Fender系のネック固定のネジなど、元に戻す際は『逆ねじ』と言われる、緩め方向へ回してネジ山をしっかり合わせる予備動作を行ってから締める様にしましょう。

無理にネジ込んでいくと、ネジ穴が広がってしまい、確実な固定にはネジ穴補修が必要になります。

愛器のコンディションを保って楽しいギターライフを

リスクはありますが、注意点を守って無理をせず慎重に行えばいつでも弾きやすくセルフで調整でき、より弾きやすいコンディションで安心してギターをプレイすることが出来ます。

大切な相棒だからこそ、常に良いコンディションを保って楽しいギターライフをお過ごしいただけたら幸いです。

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ギターのネック調整 トラスロッド
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