3つのCコードフォームから指板をワイドに把握する
コードフォームをベースにメジャースケールをワイドに展開
前回の Lesson 1 、Cコードのローポジションでのフォームで、指板をバーチカル(縦方向)に把握出来たでしょうか。
まだの方は、是非『Cメジャーコードで学ぶギターの音楽理論 Lesson 1』 をご覧下さい。
実際にギターをプレイする際には、ギターの指板上を広く使用してフレーズを組み立てて行くことが多いのですが、指板をワイドに使い直感的にプレイするためには使用できるポジションの把握が必須となります。
そこで今回はCメジャーコードをベースに、同コードで異なるあとふたつのコードフォームを目印にして指板上を把握していきたいと思います。
ローポジションのCメジャーコードをおさらい
前回ご紹介した、馴染みのあるローポジションのCメジャーコードです。これは5弦3フレットのC音をルートにしたコードフォームです。
この同じ5弦3フレットのC音をルート音にして、もうひとつCメジャーコードフォームが使用出来ます。
もうひとつの5弦ルートのCメジャーコード
ローポジションでのコードフォームはルート音より低音側に展開するコードフォームでしたが、今度は高音側に展開していくコードフォームになります。基本的に3フレットは人差し指でセーハし、5フレットのG音、C音、E音は薬指でまとめて押さえるフォームになります。
このコードフォームは開放弦を使用しませんので、横にスライドさせる事でDメジャーコードもEメジャーコードも、同じフォームで全てのメジャーコードが演奏可能です。
エレキギターでのアレンジでは、ローポジションのコードフォームよりよく使われるコードフォームではないでしょうか。
ルート音よりハイポジション方向にコードトーンが展開しているこのコードフォームを基に、指板上をワイドに使ったメジャースケールを見てみましょう。
5弦ルートの 3ノート・パー・ストリング アプローチ
ホリゾンタルに展開するスケールアプローチの基礎
3ノート・パー・ストリング、というのは、各弦3音ずつの音で構成されるスケールアプローチです。
一気に指板を駆け上がる様な速いフレーズを弾く際によく使用されます。このアプローチでCメジャースケールを弾いてみましょう。滑らかに音が繋がるようにプレイしやすいのではないでしょうか。
少し指を広げないといけませんが、ネックを握り込まずに、ネック裏に親指を持って来ると、指を大きく広げやすくなります。
5弦ルートのCメジャーペンタトニックスケール
視覚的、感覚的に把握しやすいギタープレイの基本
メジャーペンタトニックスケールは、Cメジャースケールから、4番目と7番目の音を省き、通常7音で構成されるスケールを5音で表現するスケールです。
古くは伝承民謡にも見られますが、現代ではブルースやロックなどで頻出するスケールです。まず1オクターブ分を見てみましょう。
非常に視覚的に把握しやすいパターンではないでしょうか。
主に人差し指と薬指でプレイしてみましょう。第2音のDと第3音のEは薬指をスライドさせると、第4音のG音を人差し指で押弦しやすくなり、スムーズにハイポジションまで繋いでプレイしやすくなります。
3弦と2弦のインターバル(音程)が他の弦と比べて半音狭い長3度なので少し形が崩れますが、ほぼ同じ動きで2オクターブがカバー出来ます。
このふたつのスケールフォームで、かなり広く指板上の音程感覚が感じられたのではないでしょうか。次はこれを更に広げていきます。
6弦ルートのCメジャーコード
6弦上のC音は8フレットになります。5弦ルートのふたつのCコードフォームと響きを比較してみて下さい。同じCメジャーコードであることがお分かりいただけると思います。
1弦8フレットも同じくC音となりますので、一番低い音と一番高い音がどちらもC音となり他のフォームと比べると華やかな印象になるコードフォームです。
このコードフォーム、どこかで見たことがありませんか?Fメジャーコードを横にスライドさせたものです。Fコードも解放弦を使用しないため、横にスライドさせるだけで全てのメジャーコードが演奏可能です。
6弦ルートの 3ノート・パー・ストリング アプローチ
6弦8フレットからスタートする 6弦ルートの 3ノート・パー・ストリング でのCメジャースケールはかなりハイポジションになりますね。
ローポジションでのバーチカルなCメジャースケール、5弦ルートの 3ノート・パー・ストリング のアプローチと合わせて、1オクターブである12フレット内を全ての弦で網羅出来ました。
6弦ルートのCメジャーペンタトニックスケール
更にハイポジションへ広げていきます。6弦ルートのCメジャーペンタトニックスケールを、まず1オクターブ分見てみましょう。
見覚えがありませんか?5弦ルートのメジャーペンタトニックスケールと同じパターンになります。
レギュラーチューニングではギターの縦と横の音程は3弦と2弦の間の音程以外同じになりますので、ひとつ動きを覚えるとこの様に応用が可能になるわけです。
この様に基本的なパターンは5弦ルートの場合と同じです。6弦ルートのメジャーペンタトニックスケールだと3オクターブをカバー出来、1弦20フレットのC音まで到達します。
これでギターの指板の最初から最後まで使用してのCメジャー表現が出来ました。
音楽と繋がる演奏体験の第一歩
いかがでしたでしょうか。ギターを始めたばかりの頃は、指板がとても広く感じたはずです。
しかし3つのコードフォームと関連づけてスケール表現を覚えると、指板上を音楽的に整理して見ることが出来、それを感覚とリンクさせていく事で直感的にポジション移動を行うことが出来ます。
実際に弾いてみて同じスケールでもそれぞれのポジション、弦で響き方や感じ方が違いませんでしたか?
実際の楽曲アレンジでも弾くポジションや弦の響きの違いを利用して、よりプレイヤーのフィーリングとリンクしたプレイを目指しているのです。
色んなポジションでコードやスケールを弾きながら、あなた自身がどう感じるかを感じてみて下さい。それがあなただけのギタープレイ、表現になっていくのです。
ギターを通じて、音楽とあなたが繋がる一助になれば幸いです。