定番クリップチューナーの最新ベストセラー、オススメ5機種を比較
ギターのチューニング環境の変遷
音叉からシールドで繋ぐチューナー、そしてクリップチューナーへ
ギターを弾く前に必ず行いたいチューニング。
昔は音叉(A=440Hzを鳴らす器具)で5弦をチューニングし、5弦を基準に全体をチューニングする方法やシールドで繋いで使用するチューナーなどが一般的でしたが、現在ではヘッドに挟むかたちで固定し、ネックを伝わる弦振動からピッチを検出しチューニングする『クリップチューナー』が一般的となりました。
クリップチューナーの利点
音感アップにも繋がるこまめなチューニング
クリップチューナーは常時ギターのヘッド部に装着していてもプレイに支障がなく、現在ではプロのステージでも使用ギターの各ヘッドにひとつずつ装着されていたりするほど普及しました。
手軽にいつでもチューニングでき、取り外しも装着もワンタッチなのが1番の利点で、まめにチューニングしてもストレスになりません。
加えてチューニングする時にピッチの表示を音と同時に見られることで視覚的にもピッチを把握でき、音感とノートの一致したイメージが持ちやすくなるため、音感の向上にも繋がります。
全てのギタリストのマストアイテム
これからギターを始める方はもちろん、昔ギターをやっていて、久しぶりに再開する方にもマストなアイテムです。
チューナーを製造しているメーカーは各社クリップチューナーを開発、販売しておりますが、現在良く使用されている主要機種をご紹介していきます。
価格で変わる反応速度と精度、感度
実売価格1,000円から1万円までクリップチューナーは数多くありますが、機能の他には価格により反応速度と感度、精度の違いがあります。
■反応速度
反応速度はギターで音を出してからチューナーが音を感知し表示するまでのスピードで、反応速度が速いと素早くチューニングすることが出来ます。
■感度
感度は、ダウンチューニングやベースなど感知しにくい低音域のチューニングに主に影響が出てきますので、感度の高いものはストレスなくチューニングすることが出来ます。
■精度
精度はメーターの動きの細かさで、スムーズにメーターが動くことでより正確に素早くチューニングすることが出来ます。
それでは各機種を見ていきましょう。
POLYTUNE CLIP (TC Electronic)
おすすめNo.1のクリップチューナー
PolyTune Clip は、全6弦のチューニング情報を一気に表示できるポリフォニックモードの他、単音チューニングのクロマチックモード、+/-0.02セントの超高精度ストロボチューニングモードといった、あらゆるシーンに対応するチューニングモードをクリップ式のコンパクトなケーシングに内蔵。
可動部も非常に強度が高く耐久性もあり、折り畳むとコンパクトになることから、反応速度と感度、精度とも素晴らしく、機能と耐久性両面からも非常におすすめ出来るクリップチューナーです。実売価格は5,000円前後です。
アーム機構の付いたギターは特に、全弦のチューニングを1度に行えるポリフォニックモードがチューニング時間の短縮、精度向上に寄与します。ポリフォニックモードで全弦のバランスを取ってから、1弦ずつ正確にチューニングすることで、快適にプレイすることが出来ます。
耐久性も非常に高く、長く愛用出来るのも特徴です。ベースの帯域にも問題なく反応します。
ベーシストには Unitune Clip がおすすめ
Polytune Clip からポリフォニックチューニング機能を廃した、Unitune Clip もリリースされています。複数弦の一括チューニング機能が必要ない方や、ベーシストにはこちらの方が少し価格もお手頃でおすすめです。
少しお手頃な価格ですが、精度+/-0.02セントを誇るストロボチューニングモードはPolytune Clipだけでなく、Unitune Clipにも搭載されており非常に高い精度でチューニングすることが可能です。
PitchCrow-G AW-4G (KORG)
チューナーと言えばKORG、のミドルクラス多機能チューナー
PitchCrow-Gは、フルスペックのクリップ型チューナーとしては最もコンパクトなチューナーです。
ムダのない効率的な設計により、サイズ・重さともに従来モデルより約20%も小さくなりました。機能面においても、好評のフルカラーLCDやギター/ベース専用モードに加え、新たに±0.1セントの超高精度ファイン・チューニング機能を追加。
日常のチューニングには問題ない精度とリーズナブルな価格、実売価格1,500円前後と圧倒的なコストパフォーマンスが魅力です。
ボールジョイントによりディスプレイの向きを細かく調整出来ますが、使用していくと摩耗し、落下の衝撃などでもボールジョイント部が壊れやすいのが難点です。
反応速度はまずまず、感度と精度も実用に問題ないレベルですので、使用ギタリストも多い機種です。
Pitchclip 2 PC-2(KORG)
手軽に使えるコストパフォーマンスモデル
Pitchclip 2は、コンパクトなボディとシンプルな操作で、使いやすさを追求したクリップ・チューナーです。ヘッドに取り付け、スイッチをオン。あとは弦を弾くだけで、音程のずれを正確に表示します。
チューナーとしての高い精度や見やすさはもちろんのこと、ホールド力を強化したクリップやレフティにも配慮したディスプレイのリバース機能など、プレイヤーの目線に立って考えました。 ギター・ケースのポケットに入れて、どこへでも連れて行きたくなるチューナーです。
モノフォニックのクロマチックモードのみの機能ですが、コンパクトさと視認性の高さは流石KORGで、シンプルながら非常に使いやすくおすすめ出来るクリップチューナーです。
若干低音域の感度が弱いですが、ノーマルチューニングのギターでは問題なく使用出来ます。
このPitchclip2ですが、更に機能や精度をアップしたPitchclip2+がリリースされています。
Pitchclip2+ PC-2Plus (KORG)
メーターLEDの数をPitchclip2の約2.5倍に増やし、より細かなピッチ調整に対応。キャリブレーション機能、±0.1セントの高精度チューニングなどチューナーとしての基本性能が格段にアップしました。またディスプレイ上下方向の角度が調整できるようになり、視認する際のストレスも解消。
メーター表示が上下逆転し、ヘッドの裏側につけたときでも文字が反転せずに表示できる「リバース表示機能」を装備。レフティ・プレイヤーや、チューナーが正面から目立たないようヘッドの裏側に装着したい方に役立つ、便利な機能です。
流れるLED表示が楽しい「ストロボ・モード」「ハーフ・ストロボ・モード」を搭載。±0.1セントの超高精度でピッチの細かな誤差まで追い込むことができるので、楽しみながら正確なピッチに合わせることができます。
少し価格は上がりますが、精度の向上やキャリブレーション機能(基本周波数設定)、視認性の向上など価格以上の差を感じられる仕上がりです。
Strobo Clip HD (PETERSON)
クリップチューナーの最高峰
StroboClip HDは、1/10セント(半音の1/1000)の精度を誇るクリップ式のストロボ・チューナーです。明るくとても見やすいディスプレイを搭載しています。チューニング中、ストロボはリアルタイムに回転し続けるので、素早く設定できます。
弦楽器や管楽器を始め様々な楽器に対応できるプリセットや音律が50種類入っています。クリップはラバーで楽器を柔しく、それでいてしっかりと挟み、正確に音程を拾います。ディスプレイは自由に動かせるので見やすい位置に固定できます。
正確無比なピッチ検出で名高いピーターソンのストロボチューナーがクリップタイプで使用出来ます。前機種より表示が見やすくなり、暗い場所での視認性も向上しています。
ストロボチューナーは通常のメーターを中央に合わせるものとは違い慣れが必要ですが、ピッチの狂いが動的に視認出来るため慣れると非常に使いやすくおすすめ出来ます。
価格は1万円前後とグッと価格が上がりますが、正確なチューニングを求められる方はこのクラスのチューナーが良いでしょう。
毎日使うものだからこそ
チューナーはギター上達の必須アイテム
チューニングは上達のためにはプレイする前に必ず行う必要がありますが、手間になるとだいたい、で練習してしまいがちでもあります。
クリップチューナーは全てのギタリストをチューニングのストレスから解放する素晴らしい製品ですので、是非あなたのギターライフに導入してみて下さい。気に入って頂ければ幸いです。